漫画大好き縁田ちゃん【あらすじ・漫画紹介・感想】

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『この別れは〝幸せになれる未来の一部〟』【ミステリと言う勿れ15巻】[あらすじ・漫画紹介・感想]

2025年3月10日発売!

田村由美さん

【ミステリと言う勿れ15巻】

あらすじ・漫画紹介・感想📖

はじめに─ライカさん出会い─

主人公・久能整くんがライカさんと出会ったのは、4巻でした。

色々あって入院した病院で度々見つける『漢字の間違い』。 

 

最初はただの漢字間違いだったのに、病院中のポスターなど至る所で見つかる漢字間違いに違和感を感じよく見ると、間違い部分だけわざと手書きで書かれています。

 

探せば探すほど、なんとなく繋がっていく言葉たち…。

 

辿りついた先には数字と謎の女性・ライカさんが待っていたのでした…✨

サムネイル

前巻(14巻)のお話はこちらです↓

yoko-enda-manga.hatenadiary.jp

 

ライカさん

  • 初登場・4巻
  • マルクス・アウレリウス『自省録』を丸暗記していて、自省録を使った〝書籍暗号〟で久能くんに意思を伝えるが多い
  • 幼い頃から父親に酷い虐待を受けていた千夜子さん〝痛みを引き受けるためだけに生まれてきた、あとからできた人格の1人〟
  • 千夜子さんは解離性同一性障害、以前は多重人格と呼ばれていた病気で入院中
  • 苦しくも痛くもないカメラになろうという思いから〝ライカ〟となる
  • 沢山いた人格も統合され、今はライカさん1人
  • ライカさんは千夜子さんを見ているけれど、千夜子さんはライカさんを見ていない
  • 歩けないと思い込んでいる千夜子さんのために、こそっと午前3時に抜け出し足を鍛えている
  • 千夜子さんを守るため両親を────。
  • 〝その日〟がくれば居なくなる

15巻あらすじ

episode19-2【犬の話をしよう】〜episode20-2【不如帰去(かえりゆくにしかず)】まで掲載されています📖

 

ライカさんの希望で久能くんの大学にやってきた2人…。

教室に図書館、ロッカー、掲示板に中庭。

そしてやってきたのは取り壊し予定の6号館、通称〝ひきずり校舎〟です。

名前の由来は怪談ではなく、昔土台ごと建物を曳いて移動したことからきています。

 

久能くんの話を興味深く聞いていたライカさんは、小学生の時に読んだ

 

『実録!学校の怪事件4』

 

という本にひきずり校舎が載っていたことを思い出しました。

 

20年は経っている〝謎が多く未解決の連続殺人事件の現場〟だそうです。

 

あまり深入りしたくない久能くんでしたが、

 

〝残りの時間を久能くんとあーだこーだと色々話して考えたい〟

 

というライカさんの気持ちを大切にすることに…。

 

次の日から昔の新聞記事を探したり、情報を集める2人。

 

矢と矢が繋がり、1つの〝想像〟に辿りついたあと…。

 

──そんなわけで

そろそろお別れだ──

 

おわりに

千夜子さんにとって、ライカさんや他の人たちがいたこと・いることはよくないことで、いずれはいなくならないといけない存在である…とわかっていたことなのですが、久能くんと出会ってまだ3ヶ月…

 

されどこの3ヶ月はきっと、久能くんにとって人生忘れることのできない3ヶ月になったと思います。

 

いろんな事が気になって、引っかかって考える久能くんにはライカさんと居れる時間はもう僅かなことがわかっている描写がありました。

 それでも彼は、別れる寂しさから逃げることなくその時間を楽しく過ごし大事にしていました😢

 

最初の頃の感情が閉ざされている様子だった千夜子さんに、優しい新しい家族も見つかり心身共に回復の兆しが見えてきて──。

 

だからこそライカさんは、安心して〝いなくなる〟ことができたんですよね✨

 2人にとって、前に進むための一歩だった。

 

 そう、頭ではわかっているけれど初めてあのシーンを読んだ時は、気持ちがどうしても追いつかなかったです…😢 

 

思い返せばはじめて出会ったあの日…

 

もしかしたら、病院での出来事を誰から聞いて久能くんの存在を知ったライカさんは、彼ならば自分をわかってくれ、残りの時間を一緒に楽しく過ごしてくれるかもと小さな希望を〝数字の暗号〟に託したのかもしれません。

 

ライカさんは〝カメラ〟では無かった。

1人の女性だった。

 

千夜子さんを守ろうと全力で頑張った、優しくてまっすぐな人。

 

千夜子さんとライカさんにとって、もう二度とライカさんが目覚めることがないことが幸せになれた証。

 

こんなにも切なくて力強くて穏やかで未来へ繋がる別れのシーンはあったでしょうか😢

 

寂しいし悲しいけれど、ライカさんはきっと〝涙の別れ〟は望んでいなかったと思います。

 

久能くんからの笑顔とエールの別れ…。

 

千夜子さんの中にほんの少しだけ残るライカさん、そして久能くんの中には沢山の楽しくて、スリリングな思い出と共に残るライカさんの姿。

 

もしかしたら、これから千夜子さんの様子は描かれるかもしれないけれど、 ライカさんに会えることはもうない気がしてます😢

 

 そして、久能くんはきっとライカさんとの〝約束〟を守って千夜子さんに話したりはしないでしょう──。

 

これは「さようなら」じゃなくて、

「ありがとう」と「いってきます」の物語。

別れは終わりじゃない。

 

その人の思いが誰かの中で生き続けるなら、きっとそれは、続いていく未来の一部。

 

ライカさんがいた時間も、いなくなったあとの時間も…全部、久能くんと千夜子さんのこれからを支えていくんだと思います。

 

本日もお立ち寄りありがとうございました🙏✨