この記事は
10巻以内で完結する漫画
三原ミツカズさん
【死化粧師(全7巻)
のあらすじ・漫画紹介/感想です📖🙋
はじめに
三原ミツカズさんはロリィタファッションをこよなく愛していらっしゃり、ロリィタファッションを取り入れた漫画の第一線でご活躍中のロリィタ界のカリスマまんが家先生です✨👗
そんな三原先生の描く漫画は、ストーリーは勿論、登場人物のお衣装や小物から髪型まで全てが素敵で、物語だけではなく、ファッションも楽しめる作品が沢山ありますよ💍👠
この漫画は主人公死化粧師・エンバーマーとして働く『間宮心十郎』とヒロイン『夏井アズキ』、そして愛する者に先立たれ残こされた者達が死をどのように受け止めていくかなどが描かれたヒューマンストーリーです。
エンバーミングとは…
もともと古代エジプトからはじまり、復活を信じるキリスト教圏を中心に広がった。
遺体のやつれや損傷に『防腐』『殺菌』『修復』『消毒』などを施し、生前の姿に時間を戻す技術です。
技術者の事を『エンバーマー』と呼んでいます。
必要に応じた死化粧や様々な方法により、長くて2週間程腐敗させることなく保存することができる。
事故や病気で亡くなった故人を、生前の元気だった姿に近づけることも可能だそうです。
日本では『遺体衛生保全』、技術者の事を『遺体衛生保全士』と呼んでいます。
登場人物
間宮心十郎
主人公のエンバーマー。
アメリカ人でエンバーマーだった父と、日本人の母をもつイケメンハーフ。
アズキの祖父で神父の夏井月峰(つきみね)と出会い月峰の教会を使わせて貰っています。
ずっと仕事であまり家にいない父の事が寂しさもあり許せなかったが、軍属のエンバーマーとして働いていた父が地雷によって戦死した事をきっかけにエンバーマーの資格を取得しました。
仕事に関しては真面目だが、エンバーミング後は毎回体温が冷たくなってしまった錯覚にとらわれてしまい、『体温を抱きたくなる』ため、なりふり構わず女性を抱く性癖がある。とにかく女性の体温を感じ、すべて奪いたくなる。
夏井アズキ
23歳ヒロイン。心十郎がエンバーマーの職場として使っている教会の神父、『夏井月峰』の孫。
教会の片づけをしにいつもやって来ては、心十郎が連れ込んだ女性たちを追い出している(笑)
心十郎とはついつい言い合いをしてしまう事もあるが、いつも心十郎を心配していて側に居たいと思っている。
心十郎がエンバーマーとして何年もかけて少しずつわかってきた事を、豊かな感性によって既に気付いている事が多く、時に心十郎を動揺させてしまう。
出会った時から心十郎がずっと好き。
あらすじ
身体の弱い日本人の母と、エンバーマーで各地を飛び回る父を持つ心十郎。
病気の母の事を置いていつも仕事で居ない父親の事が許せませんでした。
そんな心十郎に
「どう言ったらわかってくれるのかしらね」
「あの人がどんなにかけがえのない仕事をしているか・・」
と母は言い、最期まで夫の事を愛し尊敬しながら亡くなります。
最愛の妻の最期に駆け付けた父親に
「エバーミングとは生きている者のためにあるんだよ」
「愛する人を無かったことにしてはいけない」
と教えられましたが、母親と自分の事よりも仕事を優先してきた父親にどうしても納得できませんでした。
きちんと向き合うことなく父親は軍属のエンバーマーとして戦場で働いてる時に地雷の犠牲になり亡くなります。
父親が亡くなった事で、父が自分と母親を何よりも愛していた事を認め、両親の想いも伝わり自身もエンバーマーになるためアメリカに渡ります。
そしてエンバーマーの資格を得て日本に戻ってきた心十郎は、まだまだエンバーミングに馴染みのない日本で途方にくれていました。
そんな時、教会の神父でありアズキの祖父月峰と出会います。
高齢のため教会を守ることができなくなってきた月峰と『ある条件』を守る約束で、教会をエバーミングの仕事で使わせて貰えることになりました。
月峰の孫娘アズキは教会の掃除に来るたび女性をとっかえひっかえしている心十郎にやきもきしながらも、
『故人の尊厳を守り、遺族の悲しみを和らげる』
ため真面目にエンバーマーとして働く彼を尊敬し惹かれていきます。
一人で全てを背負い、葛藤し自分を許せない心十郎の選んだ未来は・・・・・。
さいごに
作者の三原ミツカズ先生はインタビューで
幼馴染の親友が夏に自死で亡くなり、遺体の状態が良くなく最良の形で送り出してあげられなかった事を後からとても後悔され、暫くしてエンバーミングの記事を新聞で読んだときに、もっと早くに知っていれば・・・という思いから
この『死化粧師』が始まったとお話されています。
資料の取り寄せ、エンバーマーさんへの取材や、関連のある本を読んだりと沢山学ばれた三原先生だからこそ
漫画はとてもわかりやすく、エンバーミングの技術だけではなく残された者がどのように乗り越えていくかに重きをおいて、オカルト的にならないように描いてくださっています。
最終巻の7巻のラストは
三原先生からの今生きているわたし達へのメッセージもあり、この『死化粧師』に出会えてよかったと心から思いました。
表紙もとてもこだわっていらっしゃり、どの巻も素敵な一冊となっています。
着ている衣装、登場人物達の表情1つ1つが丁寧に描かれており、紙本で読むとまるで画集を見ているかのような美しさも楽しめますよ📖✨👗