5巻以内で完結する漫画📖
原作・鈴木大介さん
小説【里奈の物語】
漫画・山崎沙也夏さん
【アンダーズ〈里奈の物語〉全3巻完結】
のあらすじまとめ/漫画紹介・感想です📖🙋✨
はじめに
この漫画は『貧困女子』『ギャングース(漫画原作)』などの著者、鈴木大介先生の初小説『里奈の物語』を、『サイレーン』『シマシマ』などの作者山崎沙也夏先生が作画を担当されたコミカライズ作品です📖🙋✨
小説と漫画では山崎先生がお話を少しだけ変更されている箇所や、原作小説に入りきらなかったストーリー『ホストタタキ編』が完全収録されています。
この記事では漫画『アンダーズ〈里奈の物語〉』のみご紹介しております🙇ご了承のほど宜しくお願い致します🙇
『この国に生きるかつて少女だったあなたへ━━━』
気になるジャンルは?
- 未成年・少女
- 売春
- 裏社会・ヤクザ
- 青年漫画
- 人間ドラマ
登場人物
里奈
未成年援デリ部隊のリーダー。
行き場のない少女達が少しでも安全に、安心して働けるように奔走する。
- 幼い頃に母親(春奈)に捨てられ、とある倉庫で暮らしていた。幸恵(スナックのママ)が生活を助けてくれていた
- 弟妹が三人。雄斗、琴美、比奈。それぞれ施設などで暮らす。
- 訛りがある
- 頭がよくのみ込みが早い
- 銭勘定が得意で先利益も見据える
- 顔がいい
- 施設でお世話になった先輩『美鈴さん』の家に居候をしている
サクラさん
顔がいいだけで、客をとれる里奈の事が心底嫌い。でも援デリ講座をしてくれたりと時には頼れる先輩。
- 援デリの先輩
- 何十万回と不細工と言わてきた
- 打ち子の長峰とラブホ暮らしをしている
- 色んな意味で頭がいい
- テクがプライド
- 後輩達への講習など、面倒見がいい
- リピ客をつけるため、物凄い努力をし工夫をしている
- 里奈の部隊には入っていない
- 『悪意の天才』
- 見た目にはとても気をつけていて、化粧やヘアメなど綺麗にしている
森永(ヤクザ)
打ち子の長峰がやらかしてしまい、長峰の変わりに里奈達の援デリ部隊のケツ持ちになった。
初めて里奈達に会った時、『未成年は使えない』『お前ら解散』と冷たく言ったが、里奈に『怖じ気づいてんじゃないっすか』と言われ里奈の(部隊)ケツ持ちになることにした。
茉莉と冬美
援デリ部隊初期からのメンバーで二人ともよく似ている。
未成年のため部屋が借りれず、二人でラブホ暮らし。
里奈の後に加入。
二人ともホストにはまり売り掛けしている。稼いだお金は遊びとホスト。
長峰から里奈に部隊のリーダーが変わった時も一緒についてきた。
貴亜
里奈と同じ施設で育った同い年の友達。
二人でウリをやりはじめる。
どんどんどっぷりハマる貴亜を心配した里奈の小言が気に入らず、疎遠に。
退所後母親から虐待とお金をとられる毎日をおくっていた時、偶然里奈と再会し部隊に加入。
あらすじ
「あたしらには
消耗してる
時間なんかない」
商売道具はスマホとカラダ。
ファミレスを待機所がわりに売春をする未成年の女の子達。
『通称未成年援デリ』
10代で家を出た彼女達は少女であるがゆえの生き辛さを知ります。
里奈はどんな事をしてもお金が用意できれば妹たちと暮らせるようになると思っていましたが、お金があるだけではどうにもならないことを知ります。
地元を離れ、自分でお金を稼ぎ生きていくため行き着いたのは、長峰という男が仕切る未成年の援デリ部隊でした。
拠点はファミレス。
そのファミレスには似たようなグループが何組か座っていました。
長峰のグループで一定の稼ぎをしっかりとキープしている先輩のサクラは、長峰の打ち子としての仕事の出来なさ、仕切りの下手さに苛立ちながらもテクニックを磨き、自分でしっかり稼いでいます。
そんなサクラは顔が良いうえに、初日から怖いもの知らずで、自分流に大金を稼いできた里奈の事が気に入らないながらも、『冬美と茉莉』が加入した時には援デリ講座を開き自己防衛の方法などを教えるなど、面倒見のよい一面もあります。
長峰が下手を打ち、ヤクザの森永に拉致後狩られ、他の援デリグループは全て潰され、里奈のいる援デリ部隊は森永の手に渡りました。
その際、未成年は使わないという森永に
なんとしてもデリを辞めるわけにはいかない里奈は
「怖じ気づいてんじゃないっすか?」
と啖呵をきり、森永に認められます。
その後森永がケツ持ちになり、里奈部隊が本格的に動き出します。
~地獄の面接~
森永の組でやっていた『モグリの援デリ』で見つかった未成年の子達が、里奈の部隊で使えるか全員の面接を頼まれました。
未成年の援デリなので、様々な事情を抱えた子達がやってきます。
『親から虐待を受けている子』
『叔母に耳を切られている子』
『親にウリをやらされている子』
『家に居場所がない子』
などなど、中には部隊に入らないと命に関わる子達も沢山いました。
里奈の選んだ子達は、一人たりとも放っておけない子達です。
里奈の部隊の方針は
『高額バイト気分なら
今すぐ眼中から消えてくれな』
17人の4部隊になり、
目標は『18歳なるその日まで共同生活をして、その先の人生スタートできる資金を貯めること。』
上手く行っていると思っていた矢先…
女の子達の中では派閥ができ、一番ビジュアル重視の部隊のメンバーが他の部隊を見下すようになった事からトラブルが続くようになります。
ホストにはまりキャバの体入荒らしをしはじめるなど好き勝手…。ビジュアル部隊以外の部隊から不満が出始めビジュアル部隊は切ることも考えた方がよいと貴亜に言われますが、皆家庭に問題を抱えた女の子達…。簡単には捨てれません。
同じ施設で育った貴亜の〝センサー〟は馬鹿にできず、いつも以上に用心していた里奈でしたが、最大の危機を迎えます。
森永に助けを求めると、トラブルの標的は最初から里奈だという事がわかりました。
森永にトラブルの件を任せ一ヶ月後。
森永に呼び出され行った山奥に居たのは、森永と━━━━━━━━。
さいごに
大好きな山崎沙也夏先生の漫画でしたので、内容を知らないまま購入したのですが、未成年の援デリという今まさにメディアでよくとりあげられる社会問題のお話でいっきに読んでしまいました。
このお話の里奈ちゃんにはモデルになった女の子がいるそうで、『女の子達が自由を勝ち取る戦略』がこの漫画(原作)では描かれています。
不幸とか可哀想ではなく、彼女たちの生きるための力の強さが知れる作品だと思います。登場する女の子達の言葉はとてもリアルで、読めば読むほど引き込まれていきました。
歳を重ねれば重ねるほど、こんな社会はあってはならない、あってほしくないと若い頃よりもより強く考えてしまいます。
里奈ちゃんは実際にどこかで生きていてこの漫画が世に出た時、きっと鈴木先生から手渡され作中の力強く生き、自分で未来を切り開いていく里奈に自分を重ねたのはないでしょうか。
里奈ちゃん、鈴木先生、山崎先生誰か1人でも欠けていたら誕生しなかった沢山の魅力が詰まった作品です。
鈴木大介さんが出会った女の子達の『生きる熱量』、『里奈の決意のクライマックス』を是非知って頂けたらなと思っております。
本日もお立ち寄りありがとうございました🙇