この記事は
一冊で完結する漫画
岡崎京子さん
【pink】
のあらすじ・漫画紹介/感想です📖🙋✨
はじめに
岡崎京子先生は1980年代から1990年代にかけて沢山の素晴らしい作品を発表された作家先生です。
漫画に登場する女の子達はどの子もおしゃれで素敵な子ばかり。
岡崎先生ご自身もとても魅力的で、おしゃれでチャーミングでいらっしゃいます。
時代をこえ、作品の復刻版が発売されたり実写映画化もされました。
休筆されてから何年たっても変わらず愛されている岡崎先生の作品から
パンチザウルスにて掲載されていた
『愛と資本主義』をめぐる冒険と日常のお話。
【pink】のご紹介です📖✨
登場人物
ユミ(由美子)
主人公の女の子。
昼間オーエル。
夜は大人の仕事。
本物のワニを飼ってスリルとサスペンスを楽しんでいる。
ピンク色が大好き。
- 22歳
- しあわせな感じがするからピンク色が好き。
- 大好きな実母は亡くなっている。
- 実父は再婚していて、ママハハの事は大嫌い。
- 母親違いの妹『ケイコ』とは仲良し。
- ワニの食費、オシャレ、日々を満たすためいくらでも働くんだ!
ケイコ
ユミのママハハの娘。ユミとは仲良しでよく家に遊びに行く。
「やだよね
卑しい人間は
ツラの皮があつくて
自分の母親ながら
やんなっちゃうよ」
ちょっとおませで食いしん坊の女の子。
ママハハ
ユミの実の父親の再婚相手。
実母が亡くなる前から、父親と関係があった?
ユミとは犬猿の仲。
お金だーいすき。
若い男『ハルヲ』を飼う。
若い頃世界で
一番好きだったのは『鏡をみること』
二番は『男に見られること』
三番は『女にうらやましがられること』
だったわ
ハルヲ
ユミのママハハの愛人、ツバメ。
小説家になりたい大学生。
母親の愛人のハルヲが許せないケイコと『小説が面白かったら許す、つまんなかったらワニのエサ』と約束したため、読者(ケイコ)ができ小説家となった。
好奇心の強い男なのよーん。
あらすじ
これはたいくつな東京という街で生まれ育ち「普通に」こわれてしまった女の子の、〝愛〟と〝資本主義〟をめぐる冒険と日常生活のお話です。
主人公のユミは昼間OLをしながら、夜はホテトル嬢のアルバイトをしています。
母が亡くなり、父親の再婚相手はお金目当て見え見えの業が深くてやなオンナでいけすかないし、父親も父親で下品な女にたらしこまれて情けないしで、実家を出て1人で好きに暮らすユミ。
そんなユミの秘密は本物のワニを飼っていることでした。
ワニのおかげでスリルとサスペンスの毎日を送れるので、ワニを大切にしています。
1日10キロもお肉を食べるワニのため、ほしい物を手に入れるため、夜の大人の仕事も頑張ります。
義妹のケイコが家に遊びにきた時、
「ウチの母親最近若い男かってんだよ」
「買って飼ってる」
と言われ色々考えていたらママハハの相手を見てみたくなりました。
そしてやってきたビックチャンス。
ユミは偶然見かけたママハハと愛人を追いかけていきます。
滅多に訪れない面白すぎる『スリルとサスペンス』に心が踊るユミ。
そして愛人の家がわかり、部屋の前で偵察をしていた所を、愛人にバレてしまい家にあがりこみます。
愛人の名前は『ハルヲ』といい、
目の前の焼いても煮ても食えない奇妙な動物(ユミ)に興味を持ってしまいました。
好奇心が止まらず話が聞きたいハルヲを連れ、飲みに行くことにした二人。
ほんとのことばっかりじゃつまらないと、冗談まじりに話すユミのペースにはまりお酒をじゃぶじゃぶ飲まされたハルヲくん…。
朝起きるとそこは知らない部屋。
「あったまいてーー」
と起きあがると
そこにいたのは
大きな大きなワニなのでした…🐊
さいごに
岡崎先生の漫画は性の表現を隠さず、ストレートに書いている作品が多いと思います。
この『pink』もその中の1つで、何一つオブラートにくるんだり、遠回しな言いまわしはされていません。
そこが物凄くリアルでわかりやすく、物語にすっと入りこめるポイントです。
直接的でありながらも下品にならないセリフは、登場人物の人となりをより現実的で深く知ることに繋がっていると思います。
pinkの岡崎先生のあとがきでは、何も知らずに聞いたらびっくりしてしまう人もいるかもしれない
『ジャン=リュック・ゴダールさんの言葉』を用いてお話をされています。
pinkのラストは読者の捉え方1つで色々な結末になり、あれこれ考えるのも楽しい作品です。そして、『ピンク』は岡崎先生が好きな色なのでタイトルになりました。
岡崎先生の自由で素晴らしい発想の数々、そしてラフな服装でさえおしゃれに魅せるファッション・デザインはずっと色褪せません。
岡崎先生の世界を楽しんでみませんか?